更新日:2025/06/26
はじめに
「アミラーゼ構文」は、「アレクサンドラ構文」と同様に、リーディングスキルテスト(RST)に収録された読解問題のひとつにネット上で名前がついたものです 📝
難解な語彙は使われていないにもかかわらず、構造を正確に読み取れずに誤答する人が続出したため、話題になりました。
アミラーゼ構文の内容
本文:
デンプンは、アミラーゼによって分解され、最終的にブドウ糖になる。
ただし、タンパク質は、アミラーゼではなく、プロテアーゼによって分解される。
問:この文脈において、「アミラーゼによって分解されるもの」はどれか。最も適当なものを次から選びなさい。
(1)タンパク質
(2)アミラーゼ
(3)デンプン
(4)プロテアーゼ
正解:(3)デンプン
「アミラーゼによって分解される」のは最初の文で明示されており、「デンプン → アミラーゼ → ブドウ糖」という流れが明確です。
正答率と引っかかりポイント
正答率は中学生で約55%前後と言われていますが、残りの約半数が誤答する理由は、後半の文章に出てくる「タンパク質」「プロテアーゼ」などの語に引きずられてしまうからです。
特に(1)の「タンパク質」を選ぶ人が多く、これは「タンパク質」→「分解される」という表現だけを表面的に捉え、「アミラーゼによって」という主語との関係を見落としていることによります 📝
機能的非識字との関連
この問題もまた、「文章を読んで理解したつもりでも、正確に文の構造を把握できていない」ことを浮き彫りにしています。つまり、「意味はわかるが文法関係を理解できていない」状態=機能的非識字の一例です。
主語と目的語、修飾関係などの構造が把握できないと、どれだけ言葉を知っていても正しい答えにはたどり着けません。
まとめ
今回はアミラーゼ構文について紹介しました。
アミラーゼ構文は、表面的な語の一致ではなく、文の構造を正確に理解できるかどうかを問う良問です。読解力の“質”を測る問題であり、語彙力や知識だけでは解けません。アレクサンドラ構文と並び、機能的非識字を可視化する象徴的な一問です。
こういった問題を通じて、ふだんの読書や情報収集でも「表面だけでなく構造まで読む力」を意識していけるといいですね!
今後も読解力アップに役立つ情報を発信していきますので、よろしくお願いします☺️